kaizeの部屋

ツイッターからはみ出た日記

経験と想像

「現場を知らないと仕事が出来ない」という人がいますが、俺はそうなんかな?と思うことがあります。

 

俺はアパレルで20年くらい働いてて、デザイナーとして10年、管理職として10年くらい。その間布帛もニットも経験してますが、パターンのことはあまりわからないし、縫製のことも本当のところは知りません。販売も営業もやったこと無いのでわかりません。

 

まぁ学校も出てますし業務上、全くわからないと仕事として成り立たないので、なるべくそれぞれの仕事を知るようにはしてますが、本当のところはわからないというのが実情です。

 

もちろん、他から見ても我々アパレル企画の仕事の悩みや苦しみ、そして楽しさはわからないと思います。

 

じゃあ、経験すれば理解できるのか。というとどうなんでしょう。

 

人間仕事をする時間は限られていて、いくつもの仕事を経験し洗練させることはなかなか難しいと思います。

 

俺は比較的色んなことをやってきたとは思いますが、逆にいうとどれも手にしてないと思います。つまり、ちょっとやそっとで他の職種を本当に理解することなんて無理だし、時代が変われば技術や思考は進化しますので過去の知識や短期間の経験では対応できないことも増える思います。

 

例えば、OEM業者とアパレルが仕事をする場合、どちらも理解してる人が居ないと上手くいかないという人がいますが、それは無理じゃないかと思います。

たまに、「昔アパレル企画を数年やってました」とか言って過去の経験のみで日々起こる色んな事例に対処しようとする人がいますが、それではなかなか難しい。

もしかするとそういう態度(私わかってますんでみたいな)で上手くいかなくなる可能性もあるかと。もちろん逆の立場も然り。

 

余談ですが、昔ちょっと企画やってただけで「あの生地屋はなぁ〜」とか「この縫い方は上手くいかないよー」みたいな私分かってますアピールをする営業がいました。営業成績は察しの通り。(そんなのかわいいもんですけどね)

 

まぁ、長くやってても思考停止してしまって、現役であっても20年前と同じことをさも去年の出来事のように喋る方もいらっしゃいますので、そこはなんとも言えないのですが、基本的には想像し思いやりを持って他の職種と連携していくしかないかなと思います。

 

その道の経験が多すぎると、融通が効かなくなる場合もありまして、知ってるが故に身動きが取れなくなる感じ。だからこそ何度も同じこと言いますが、想像力と謙虚さを持ってお互いのスペシャリストが良い部分を出し合って進めばいいのかなと。

 

アパレルの工場視察などもそうで、工場に数回行ったくらいで工場とコミュニケーションを取ってるみたいな方もいらっしゃいますが、それはわかってる気になるだけで、そんなことより工場は適正な工賃と大量に売れるデザインを出してくれれば良いと思ってるかもしれません。

別に行かなくても、あくまでビジネスパートナーとしてお互いを尊重してれば良いのだと思います。

そもそも、アパレルは工場にとってお客様なので本音は言いにくいし、そういう対応をされるだけですし。

 

ついでに言っておきますと、たまに生産管理者が工場と仲良くなって、問題が起きた時に工場の味方をする人がいらっしゃいます。気持ちはわかりますが、それは自社(アパレル)が悪いと言ってるようなものなので良くありません。人のせいにしているのと同じです。問題が起きたのは自分の責任として対処するのが普通ですからね。

 

ちなみに一般論ですが工場視察は設備や技術を見る事で新たな企画を立てるヒントを得るためにあります。そうじゃないと経費かけて出張しないでしょう。近所なら別ですが。

(もしコミュニケーション取りたければメールか電話で感謝の言葉を伝えれば良いだけかと)

 

ともかく、自分の立場を全うし、想像力を持ってビジネスを行うに尽きるかと思います。

(それでも普通に失敗するので才能って大事ですよね)

 

以上は俺の考えで、「違うよ」という意見もあると思います。

ただ、経験しないと仕事を理解できない訳じゃ無いとは思います。

 

それではまた😌