kaizeの部屋

ツイッターからはみ出た日記

続エコの話

サステナブルはうんざりと書いたばかりだが、まだ書こうとしている。

 

ツイッターで「ニットの残糸を使って何かできないか」というのを見て俺もちょっと考えた。

 

確かに残糸は少しは残ると思う。ファーストサンプルなんかは残糸(糸は同じだが余ってる色で編む)で済ませることは確かにある。

インポートの糸などは手配に時間がかかるのでそういった方法を取る時もありますし。

 

まぁ、普通に工場には余った数キロ以下の残糸が多種多様に残ってることだと思います。

 

余った糸代はその時に作った製品の中にコストを入れて減価償却(?)してる場合があり残糸のコストはゼロの場合もあるかと(布帛でも芯地、裏地などもそういうことで余ってますね)

 

しかしながら、ニットを編むには糸もさることながら編み機が無いといけない。

 

工場としては編み機を余すことなく稼働させる事が必要で、遊んでる編み機がないようにするのがベストだと言えますので、基本的には編み機は埋まってると考えるのが普通だと思います。

 

が、実際には12Gなどの1番使う編み機は台数も多いので繁忙期でない限り稼働していないこともあるのかな。(繁忙期には編み機が埋まるが、閑散期は稼働してないってことです)

 

そんで、もし編み機を稼働させるのなら、当然利益を出来るだけ出したいのは工場としては当然のこと。残糸を使用したとしても編み工賃はちゃんと取らないと工場は製品を作る価値は少なくなり、アパレルが残糸使うから安く上げたいと言うのなら、それなら新品の糸でも付加価値のある製品を依頼してくれというのは自然なことだとは思う。

 

アパレルはもちろん工場もサステナブルだからと言ってボランティアをする余裕はないですしね。

 

ニットの糸値は生地と同じくピンキリで安いものだと1kg1000円以下〜カシミヤなど高いものだと30.000円以上するものもあります。

 

例えば一着のセーターを編むのに250g程度の糸を使用しますので、kg/1000円の場合原価は一着250円となり、kg/30.000円の場合は一着7.500円となります。つまり、高い糸が残糸の場合は使う効果がありますが、安い糸だと250円安く作れるのみでコスト的なメリットはあまりなく、残糸の量によっては小ロットのアップチャージでむしろ高くなる可能性もあるでしょう。

(計算間違ってたらごめんね)

 

じゃあ高い糸使えばいいじゃないと思われるかもしれないが、そんなうまい話はそうそうないもので、高い糸は少量でも減価償却せず資産として在庫しますかね(余らせるのはリスクがありますので使い切る事がほとんどで、余ったとしても一着編めないくらいの量です)

という事で、材料費はたいして削減できないと思います。あるのは材料を無駄にしないという社会的意義と心意気のみです。

 

ちなみに、ニットは糸と編み機だけでなく、パーツを繋ぎ合わせるリンキング又は縫製も必要で、風合いに関わる洗いや、仕上げのセットなど重要な工程があり、そこにかかるコストをケチると良い商品にはなりません。それはニット製品であればマフラーなどの小物も同じかと。

 

リメイクや染め直し、リサイクルコットンやポリエステルなど様々なサステナブルな手法が打ち出されてますが、まぁビジネスなんで儲からないと持続しませんので、今後どうなるかは分かりません。(今は企業価値を高めて間接的に利益に貢献できると考えられている為に利益より優先されている感じはしますが)

 

ただし、これは現状を言ってるだけで残糸を使うとか、その他のリサイクルを全て否定しているわけではなく人の想像力、アイデアで可能性はどこまでも広がるのだと思います。

 

つまり、考えて価値を生み出す事が大事ですので、残糸を使っても既存製品にない付加価値をもって高い利益を出せる、もしくは現状の問題を解決できる商品を作ればいいのですよね。

 

 

今はパッと思いつきませんが、環境にも優しく消費者にも喜ばれる商品、そして何よりアパレルや工場が潤う商品が作れればそれが本当にサステナブルなんですけどね。

 

それではまた😌