続き。
まず、よく言われるがファッション専門学校に足りないのは全体的に表現力と想像力を高める授業に乏しいこと(まぁ、俺は地方の専門しか行ってないので本場は違うのかもしれんけど)
そしてスピード感がないということかな。(丁寧に基礎を教えすぎ)
まぁ山のような基礎の課題とデザイン画の課題があることも問題な気もするが、基礎も大事だしな。難しいところ。それでもその大量の課題と両立して自身の創作活動に勤しむ人もいれば、今ならSNSなどで人気者になることに時間を割いている人もいると思う。
簡単にいうと、自主的にやれる人はやるし、やらない人はやらないという教育方針な気もする。
これもよく言われるが、まぁ専門学校とて入学者数を増やして、多くを卒業させないと成り立たないので、やらない人も適当に卒業させるしかないのかもしれないが。
余談だが俺が通ってた専門学校の卒業制作なんかは「親御さん見てください!あなたのお子さんはこんなに立派に成長しましたよ!」感が強くちょっと萎えた。
それでも、優秀な人間というのはきっと多く存在していて、先ほどの自分の創作活動に余念がない人や人脈作り(俺は苦手だったが)に勤しむ人など、俺は総じてやる気のあるファッション業界にとって良い人材が排出されていると感じている。
しかし、15%である。
”専門学校を卒業してもその業界に就職できる人数は15%”というのはアパレルに関していえばそれ相応の理由がある。
まず、業界の受け皿が無い。
ファッションデザイナー、パタンナー。とりあえず求人が少ない。即戦力が求められる時代もあったが、近年では1から育てたいという傾向もある。がそれでも募集に対しての求人が少ないと思う。正直、デザイナーもパタンナーもそんなにたくさんいらないもんというのが本音ですかね。
けど、優秀な人材(学生であっても)なら何人でも欲しいという違う本音もある。俺も確かにこれ以上デザイナーを増やすとその分の利益を確保しないといけないので、右肩あがりならまだしも、頑張っても微増(業界全体的にも)な場合、おいそれと人を増やすわけにもいかないが、この状況を一緒に打開してくれる気合の入った有望な人材は常に求めているし、探している。
が、そういう人材は往々にして組織に馴染まず自分でブランドを始めてしまう。逆にいえば、自分でブランド始めてしまうくらいの気概のある人材は欲しいが、そういう人は会社勤めを望んでいないという矛盾を感じている。
次に給料が安い。
まぁ、統計を調べてみればわかるがやや低い。いや会社によっては平均よりもっと低くギリギリもしくはグレーなお賃金で働かせてる現状がある。前に縫製現場の給料の話をしたが、やりたくても続けられない給料だってある。給与水準が高い企業もあるが、(表面的に)クリエイティブとは程遠い、自分がやりたいファッションではない企業だったりする。まぁ、本当はそんな企業でもやってみると面白かったり意外とクリエイティブだったりするのですが、イメージってありますもんね。
そもそも、ファッションはお金がかかる。良いものを知ろうとすればやはり良い服を見たり着たりする方がいい。一流の料理人になるには、コンビニ弁当とカップ麺の味しか知らないでは無理ありますし。流石に想像力だけでは補えない部分は否めない。
少ない給料とお金がかかるファッションとの親和性が非常に悪いというのもある。だから昔からボンボンがファッションデザイn...まあいいや。
何を目指すのか、人それぞれ違う前提は理解した上で、めちゃくちゃ安易なことを言うが、やはりやばい奴ら(いい意味で)が集まる環境学び、ある程度名のある企業やブランドに入り実践を積むと言うのがファッションを学ぶにあたり合理的なのかも知れない。2個前のブログで、進路相談の塾の方に言われた通り「有名な大学にいかないと意味がないですよ」と言うのはそれに通じると思ってしまった。自分の意識の高さや気合だけではどうにもならないこともある。頑張ってれば運よく誰かが拾ってくれるかも知れないが、それこそ運に左右される。
知名度のあるブランドが必ずしもそうではないのかも知れないが、ブランディングのやり方、服の作り方、表現の仕方、生地の知識、作り方、染色の知識、高度なパターンや縫製の知識や技術を実践として学べるブランドは限られている。知名度のあるデザイナーズはその辺りをやっているし学べると思う。
正論を書くのは嫌だが、こればかりは疑いようがない事実だと俺は思っている。
幸いにも俺は知名度なんてゼロのブランドで働いているが、生地やパターン縫製に関して、また生産の知識や経験もさせてもらっているのでまだよかったと思っている。薄給ではあるが...
でもでも、自分で学ぼうとしなかったらそれは身につかない。他部署で俺と同じようなことをやってる人間もいるが、ぶっちゃけ何も知らん奴も多い。
俺は知ってるとは決して思わないが、環境があっても得るのは自分次第ということは当然のこと。それでも環境がないと話にならない感じもする。
このファッション業界でデザイナーとして生きていくのは大変だ。先ほどの少ない受け皿、現状の低い給与水準、ややもすればファッションに失望してしまう人もいるだろう。
けど、要は勝てればいいのだ。自分の表現でたくさん売ってちゃんと儲かる。クリエイターにとってそれが評価だし極論それを目指して苦しくても辛くても地べたを這いつくばってでも活動している。
なんか脅しみたいになってしまったが、厳しいは厳しいと思う。
でもさ、意外と楽しいよ、ファッション業界💕(説得力)
それでは😌