日本製の話
先日Xで、日本製の衣服が流通量に対して1.4%まで落ちたことを憂うポストを見かけた。昔は50%ほどあったという事らしい。
この話題は度々ポストに上がってきて、その度にどうしたらいいんやろうかねー。などと考えたりもする。
けど、一方でこれを言ってる人たちはなぜ1.4%に憂うのだろうかとも考える。
日本製が失われてしまうから?自分たちの商売が縮小しているから?日本のアパレルが高いものを作り売りきれないことへの失望?それとも日本人が日本製を買わなくなったことへの不満なのか。
俺は海外生産(中国や韓国)のお洋服も企画してるし、日本製も企画してる。小さなブランドなので中国製といえどユニクロのように安くはないし大量生産もしていない。日本製の方はちょっと価格は張るけど自分の思い描いた生地と縫製を極小のロットで作っている(とはいえ流通させなければいけないのである種の妥協は必要ではある。
今も昔も一着何万もするお洋服はたくさん売れない。だから自分たちの顧客が安心して買える価格帯のもの、つまり中国製の企画の方が多い。価格は1万円前後から2万円台くらいかな。
日本製はTシャツ以外は1万円台で価格を付けることは難しい。もちろん安く作る方法はないわけではないが、それこそ中国製と何が違うのか?というレベルになってしまう事もある。だからなるべく量販店に並ぶ商品や大手が作る商品とは違う価値を表現しないといけない。日本製の難しさは日本で作ってるというよりも中国製とは決定的に違う何かを表現しないといけないという難しさがある。
Xでもポストしたがその企画デザインが難しい日本製をなぜやっているのかというのは、やる価値があるからだと思っている。正直、日本の縫製業を守ろうとか、日本の技術を未来に残そうとかそういったことはあまり考えていない。ただ効率的に自分が思い描いたお洋服を作れ、顧客に喜んで買ってもらうために日本製を続けているといった感じ。
先日、知り合いの加工屋さんの展示会にお邪魔した。Tシャツの加工が主だったが、とても感銘を受けた。俺はそこから何かを汲み取り、自分達のブランドに落とし込むインスピレーションをもらったと思う(まだ頭の中で試行錯誤している状態ではあるが)
そして、自分なりのフィルターに通したお洋服を喜んでくれる顧客がいる。傲慢かもしれないが、俺が良いと思ったものは顧客も良いと思ってくれる。俺が感動した何かをキチンと伝えればわかってくれる。そうやって商売している。まあお洋服作りなんてその自分の感性をちゃんと評価して買ってくれると信じないとやってられませんからね……
これまで約25年様々な加工を見せてもらいながらお洋服を作ってきて感じるのだが、技術というのはあくまで技術であって、それを今の時代に沿った表現をするのが大事であり難しい作業だ。
加工屋さんは「こういったものはできるか?」と聞くと「出来る」と言う。けど、出来ないことはこれまでもたくさんあった。技術的に可能なのかもしれないが、何を表現したいかというちょっとしたズレで全く違うモノが出来上がってしまう。
出来るけど出来ない。それは感性が足りないのか、俺の説明が下手なのか、そもそも俺とその人(加工場)との感覚のズレなのかわからない。日本製であってもそんなズレなんか日常茶飯事である。
だから感性を刺激する日本製の技術というのは俺にとっては必要だし言い換えれば刺激のない日本製は必要ではない。
私達だってそこそこ値が張るお洋服に込めた想いがちっとも伝わらなくなれば廃業も仕方ない。だから自分の感性を信じて、生地、縫製、加工、その他の自分が感動した出来事をお洋服にのせてちゃんと伝えないといけないなと思います。
1.4%の話から気がつけば全く違う話になってしまったのですが、個人的にはそれを昔のように50%まで上げるのは現時点ではほぼ不可能と思います。ただ海外ブランドの製品を縫製し輸出するという道は現実的かなと感じます。
もう何年も前から海外のブランドでは岡山産のデニムが人気です。ブランド名は言えないですがラグジュアリーブランドのデニムをたくさん作ってて、洗い加工も海外のブランドの依頼が多いと聞きます。ある種のブランド化が成功してると感じます。
それにより加工賃は高騰し今ではウチのブランドは岡山での生産はできなくなりました。確かにいいものは出来るのですが価格的に無理なんです。もちろん現場の方は海外ブランドも100%頼りにするわけにもいかないので国内のブランドの仕事も大事にしたいとは言ってくださるところもあるのですが、半端な気持ちで立ち入る場所ではなくなりました。
キャパのある各地の縫製工場で海外の製品を縫ってますし国産の生地は言うまでもなくラグジュアリーブランドで多く使われています。
いっそのこともっと海外のブランドの縫製加工を受け持ち未来に残す技術を守ったらどうかと思いました。
その代わり我々のような零細ブランドは日本製を作るキャパなくなり価格も合わなくなり生産出来なくなるかもしれない。
なんか捻くれた考え方かもしれないですが、1.4%をどうしたいのか。によると思います。
俺は無意味に憂いてるように見えます。美しいことを言ってるようで何をしたいのか、どういう未来を望んでいるのか全くみえません。
工場にしても技術とそれを伝える努力をすれば国内大手はもとより海外からのオファーもあるでしょう。我々ブランドも唯一無二の実力と発信力があれば世界で売っていけるでしょう。けどそれは簡単ではなく誰でも出来ることではないと思います。
その難しいことを出来ない自分たちを棚に上げて、ただ憂いてるとしか俺には思えないなって思いました。
文章とっ散らかっててすみません。それでは。
昨年の反省会場
明けましておめでとうございます。
暇なのでブログ書いてます。
仕事の話なんですが、昨年は良かったこともありますが、反省も多い年でした。
良かった点はお洋服をたくさん作ってたくさん売ったこと。実質初年度ではあったのですが、予定よりも売上も上がって新しい取引先の専門店と増えました。初年度はだいたい赤字と言われるこの業界で利益を残せたのは良かったとは思います。
ただ、売るのに必死すぎてファッションブランドとしてはよくなかったなと思います。
具体的には商品を作りすぎて必要以上に在庫が残ったこと。当たり前ですが在庫が残ると利益が目減りするということと、それをセールすることでブランド毀損になってしまいますし。
アパレル業としてはある程度の在庫が残るのは致し方ない部分もあります。どの商売でもそうなのですが、ある程度のリスクを取らないと儲かりません。
ただ、在庫には意思のある在庫とリスクを分散させる為だけの意思のない在庫があると思います。
前者を善、後者を悪とは一言では言い切れないのですが、少なくとも後者は立ち上げたばかりのブランドがやる戦術ではなかったと反省しております。
つまり、これを売っていくという覚悟がなく、総花的な在庫の積み方しかできなかったというのが初年度としてはかなりの悪手だったかなって思いました。
それと売れ筋を意識しすぎた点。
どこにでもある服を作りすぎたということです。
これもブランド力が無い現状がそうさせてしまったということだと思います。まぁ1年目でインフルエンサーがやってるわけでもないのでブランド力もへったくりもないのですが。
言い訳ですが、まあそこそこなベテランでいきなり全然売れないというわけにもいかない、とにかく実績を残さねばと功を急いでしまったなと。
今考えれば、売上などはそこそこで良くて、まずはどのようなブランドでどのような新しさを提案するのかを徹底してやる方が良かった。まあ実際仕事してるとどうしても売れなきゃ意味がないと思ってしまうんですよね…それは仕方ないにせよその方向性がよくなかった。
アパレルをやった人はわかると思いますが、どこにでもある服って売れるんです。
ファッションなんて新しい価値を提案できてなんぼ。どこにでもある服は大手の安い量販品に負けるだけ。と思われるかもしれませんが実際はそうではなく意外と売れます。逆に見たことのない商品はあまり売れません。
どんなに有名なブランドでも見たことのないデザイン性の強いお洋服はあまり売れないんです。SNSを見てると有名ブランドのデザイン性の強い服があたかも売れてるように感じますが、実際は売れてません。
価格的に廉価なベーシックな商品の方が圧倒的に売れます。
若いデザイナーにもっと個性のあるデザインをした方が良いなど、適当はアドバイスをする業界人のいうことを鵜呑みにしてはいけません。そんな事言う奴にはじゃあそれを作るのであなたが買ってくださいと言いましょう。
じゃあどこにでもある商品を作ってれば負けないんじゃ?と思われるかもしれませんが、そういうわけでもありません。
ブランドビジネスの大事なところはファンを作るということ。他所と同じようなものを作っているばかりではファンにはなってくれないどころか、ブランド名すらも覚えてくれません。それではいくらそこそこ売れたとて本当の意味でのブランドの成長にはつながらないと俺は思います。
やはりブランドらしさのあるデザインをしっかりと提案しそれを覚悟を持って売る事が大事なんだと改めて思いました。
デザイン担当としてはそれを踏まえた上でそのブランドらしい売れるベーシック商品を作るということでしょうか。
ベテランとは売れそうなものをポンポン作るというよりも、自らのブランドの強さを纏った売れ筋を作れるということに尽きると思います。
もう随分とこの仕事やってますが、それが一番難しい。
昨今のどこにでもある商品をSNSで矢継ぎ早に説得して脳を麻痺させて購入させる手法は疲れが見え始めてると感じます。販売手法は変わったものの中身は全く変わってない事がその拍車をかけてますし。
昨今アパレル従事者はコレクションの画像、ECでの売れ筋など即座にアクセスでき、社内共有させ即アレンジしSNSに流し販売する手法に疑問を感じながらもやってきたと思いますが、そろそろブランドとは何かをちゃんと考えないといけないと思います。
そういう意味でも個人的には今年は創造の1年になるかなと思います。
まあ自分に言い聞かせてる部分も大きいのですが、一部だった個性と創造を価値とする消費者が体感ですが増えているような気もしますし。
なんやかんや言いましたが、とは言えファンになってもらった顧客も増えた年ではありました。今年はもっと自分の想像力を信じて新たな価値観とは言わないまでも、ブランドらしさをちゃんと出せるモノ作りに集中しようと思います。
ルッキズムに関して思うこと
今日テレビ見てたら美容整形の話をしてた。
全然詳しくないが、画像の加工が一般的になって、加工した自分をまたあたりにすることで、加工後の自分が身近になってしまったからかな?とか思ったり。
まあ、美容整形が間接的に人を救ってるという人もいるが根本的には全く知らない他人と比べてしまうSNSの発達がそれを助長させていると俺は感じます。
個人的には美容整形自体に何も思うことはないが、オシャレに思われたいと言う理由でやるのは反対なんです。
オシャレとは顔が良くて、スタイルが良くて、お金をかければ良いというわけではない。むしろ、それらが揃ってることでオシャレから遠ざかる事なんてめっちゃある。
人それぞれオシャレの概念に違いはあると思うが、俺はその人の個性と良さを引き出す事だと思っている。
髪型、メイク、お洋服や小物などのコーディネート、色使いなど。自分が好きで心地よいオシャレであると同時に人にどういう印象を与え自分がこのような人間である事を伝える。
つまり自分の特徴を伝える事が大切だと思っている。
けども、顔やスタイルばかり気にしていたら逆にその人の良さはあまり伝わらない。
顔が良い人、スタイルが良い人なんてどこにでもいるけどもファッションは唯一無二の表現ができますから。
むしろ、背が低いとか、目が小さいとか、太っているとか痩せているとかそういう事って決定的に不利なことはないしある意味武器になる事だってあると思います(不潔なのは良くないけれども)
ただ、若い頃は他人が気になるし服だって人気があるブランドを買わないと不安になるのはわかる。自分のスタイルをモノにするのはすごく難しいし自分の良さをわかるまでに時間がかかる。
話はズレるかもしれないが、仕事柄モデルのオーディションをやる事もあって、ブランドやシーズンの雰囲気に合うというのはもちろんだけれど、できるだけ個性と雰囲気のあるモデルさんを選ぶようにしている。
昔はモデルは服をみせる役目だからモデルに個性は必要ないというブランドもあって、マネキンのようなあまり好みが分かれないキャスティングもしていたが、今は圧倒的に個性や醸し出す雰囲気が重要になってて歳をとってようが背が低かろうがちょっと太ってようがあまり関係ない方向に向かってます。
まあアイドルのようなルックスがダメだとは思わないですが、俺が扱ってる服に関してはファッション的にはちゃんと服が馴染んでくれないのです。
話がそれましたが、何が言いたいのかと言うと、正直SNSで流れてくるファッションは個性に乏しく、その人がそれを着る理由が見当たらない着画がよく流れてくるなって最近よく感じます。顔もスタイルも着てる服も高級なんだと思う。けれどもファッションからはひどく遠ざかっているのかよくわかる。
自分の個性を理解し工夫する。チャレンジする勇気を持って着こなす。高級なブランドやルックスに頼ってしまうと、どうしても自分らしい表現が弱くなりがちです。
インターネット、SNSでこれだけ情報が均一化されいわゆるルッキズム疲れが表面化するように感じる。希望的な予測でもありますが。
おそらく来年も、もっと自分らしいということにフォーカスされるようになると思う。
繰り返しますが、ファッションは個性を表現する手段。ありきたりな美の基準や世間的な価値感に近づける行為ではない。そんな曖昧で実態などない基準や価値など目的にする意味はないのですし。
ただ自分を表現するのは難しい。考えて工夫し、そして勇気を持って世界に1人しかいない自分を表現してほしいなと思いました。
それでは良いお年を😌
感性の憧れ
今年も残りわずかとなりました。来年はアパレル業界で働いて25年になります。
俺よりも才能がある人たちはこの業界から去っていき、凡人の自分が残ってるわけですが、まあ長くやれるのも才能かななんて思ってます。
自分語りで申し訳ないが、若い時は今よりも理屈っぽかった。何事も筋が通ってないと納得しないし、ことファッションに関しても知識が重要だと思っていた。歴史やその背景、縫製、素材、ディテールなどの知識がないとファッションデザインなんてできないと信じていた時期がありました。
だから,ファッションの事を勉強してない人を下に見ている人間だったと思います。
でも実際仕事し始めるとそんな事は全くなく、いかに完成された魅力のあるデザインをできるかどうかが問題でした。どんなに知識があろうが、素材に詳しかろうが、縫製を理解したデザインを出そうが結果として魅力的なスタイルを提案できるデザイナーの方が正義でした。
もちろん同僚は「色々と知識があってすごい」「素材や縫製に詳しい」と言ってくれるのですが世に出さなければ、売れなければ何の意味もありませんし。才能ある彼らに嫉妬する毎日だったのを今でも思い出します。
まあ全てでは無いとは思いますが、世の中って理屈に基づいた優等生のデザインは必要なく、情熱と感性のおもむくままのデザインが価値があると俺は思います。俺はそれができなくてどうしても頭で考えてしまうのです。まず手を動かしてデザインを組み立てるよりもひたすら頭で思考してる方が楽なんですよね。
ファッションは「センスではなく知識です」という人(そんなキャッチフレーズの雑誌もありました)もいますが、俺にとっては全くの嘘で知識なんて何の役にも立たず、優れた感性は知識など軽々と飛び越えていくので、そういう事を言う人が嫌いでした。
当然感性なんてこれまでの知識や経験、そして育った環境に左右されるとは思うのですが、そんなのも含めて才能だと思ってます。世の中の美しいと思えるのもを感じて吸収し自分の表現に変えれる才能、それがセンスだと思います。俺はそれが欲しかったんですけどね…
けども、いつのまにかベテランと呼ばれるくらい長くやっていると(もっと先輩はたくさんいるので、自分ではまだひよっことは思ってますが)そんな自分に無いものをウジウジ考えるよりも、自分が得意な事を生かせばいいじゃんという、至極当然な結論には至っております。
先日、ワンダンスというアニメを見ててこのようなセリフがありました。
"まず漠然と曲を聴く 音楽全体の色をなんとなく捉える そのあと具体的なビートを聴いていく キック スネア ハイハットの位置 メロディやボーカルなどのウワモノ ループ パターン 展開のクセ そうして頭の中で組み立てたモノを 一度全て捨て 再びフラットな状態で音楽に浸る"
ここ数年の自分のデザインの仕方に似てるなって思いました。
まずは知識や理屈で組み立てる。そして一度それらを忘れて思いのままにデザインする。そしてざっくりできたのもをもう一度理屈でやり直し、再度感情でひっくり返す。時間が許す限りこれの繰り返し。
頭で考えるのは得意だが感性に憧れてるので、理屈でだけで結論を出すのを憎んでいる。そんな自分が今のところ辿り着いたのはそんなやり方でした。
本当は一気に正解に辿り着く感性が欲しかった。けど、無いモノねだりをしてもしょうがないですからね…
それでは良いお年を
最近思ったこと
気づけば約1年ぶりに日記を書いています。
お久しぶりです。
先日、知り合いの会社のデザイナーが引退するが、そのブランドを継続すべきかやめるべきかと相談(というほどでもなくただの雑談だが)されました。
そのブランドのデザイナーは高齢でそろそろ引退したいとのこと。けれども顧客はそれなりにいて会社としてはその数億の売上を失うのは痛い。
当然、会社としてはブランドを継続させたいが、これを機に高齢化したイメージをもうちょっと若くできないかと何人かもデザイナーに声をかけたが、みんなそのブランドを引き継ぐことは難しいと言われたという。
俺もそのブランドは知ってて、個性のある良いブランドで、確かに個性が強いので断ったデザイナーは世界観を確立してるブランドを都合良く引き継ぐ事はできないことをよくわかってると思う。
「たとえ後任のデザイナーを雇って継続すること自体はできるかもしれないが、会社が望む現在の顧客と売上をそのまま維持するのは難しいでしょう。そしてあわよくばこれを機に今の顧客を守りつつ、より若層にリーチしたいと考えているならば余計うまくいかないでしょうね」と答えた。
基本的にファッションブランドはブランドの歴史とともに顧客も歳をとりシュリンクしていく。それを良しとしてブランドを運営していくのは個人的には自然な流れだと思うし、それに逆らおうとすれば逆にブランドの寿命を縮める事例も見てきた。
最近は海外の大企業を中心にデザイナーを交代しリニューアルして新たな顧客(若い顧客)を獲得しようとする流れの方が多いかもしれないが、それはブランドの市場価値が世界的に高く、莫大な広告宣伝費を使える大企業だからできることで、普通のアパレル企業がやって上手くいったのをあまり見たことはない。
あえて言うならブランドの個性がなく、一般的に広く浅く受け入れられるブランドならデザイナーの替えはきくかもしれない。が、そもそもそのようなブランドならこのような相談はされないだろう。自動的に後任のデザイナー(もしくはチーム)が引き継いでも問題ない仕組みになっている。
話を元にもどすと、ブランドに新たなデザイナーを雇ってブランドを継続させる事自体は可能だとは思いますが、デザイナーを新たに入れたとしても前デザイナーがデザインしていたようなお洋服が次々に提案されるかといえばそれは無い。
デザイナーが変わればいくらコンセプトがしっかりあったとしてもシルエット、パターン、生地の選び方、色使い、細かいディテールも変わるし、それは小さな変化でも自ずと顧客もターゲットも変わっていく。そして会社はその変化を容認しないといけない。逆に後任のデザイナーが前任者を全く真似てデザインしてるようであれば…それはデザイナーの実力がなかったということだと思います。
何が言いたいのかというと、デザイナーが変われば会社側の体制も変え、新たなブランドに合ったやり方に変わらなければいけない、少なくともその覚悟が必要だと思う。
具体的に言えば新しい顧客または新しい市場を獲得する覚悟というか。それが無いとうまくいかなくなったら「前のデザインの方が良かった」とデザイナーのせいにして終わってしまう。しかも、今の顧客を守りつつあわよくば若い層にも売っていきたいなどと、そんな覚悟では何をやっても難しいと思う。
時代錯誤だと言われるかもだけど、デザイナーが生み出す商品を求める客を探し届けそれによって利益を得るのが会社の役割だと思ってる。
特に今回のような高齢化した顧客だが失いたくないので、その顧客を守る為に新たなデザイナーを雇って継続するべきか?という問いに対してそんな都合のいいことは無いと思った次第。
長く続いたブランドの終焉を感じたと同時に、簡単に継続することができない個性のある世界観、長い年月買い支えた顧客、長く愛されたい品質など、それこそがブランドなんだなって改めて感じたし、ここ20年の平坦な時代を経てこのようなブランドが求められてる時代になってきてる予感も感じました。
今年の抱負
みなさまあけましておめでとうございます。
正月番組も特に見るものもなく、暇しております。休み中に仕事のことはあまり考えたくないのですが、暇なので来年の仕事の抱負でも考えようかと。
何度も書いてますが、昨年は20数年間働いた会社を辞めて転職して、新しい会社でファッションブランド(ブランドと呼べるほどものまでもないのですが)を作りました。企画は俺一人で営業が一人の二人体制で1年間…厳密には9ヶ月やってきました。夏物を少し作って、本格的には秋物からのビジネスだったのですが、まぁ色々と忙しかった気がします。
俺らのビジネスはマスに近いところのファッションで、百貨店ブランドほどの高価格でもなく、デザイナーズブランドほどのデザイン性もなく、量販ほどの安さでもない、なんとも中途半端な立ち位置のビジネスなのですが、凡庸な俺らはそのゾーンで戦うしかないというかうのもありますが、 このゾーンというのは意外と需要が多く(ライバルも多い)悪戦苦闘しながらもなんとかやっている状態。
ちなみに詳しいことは言えませんが、9ヶ月で約6000着ほどを売り、なんとかギリ黒字という感じ。初年度の黒字はほぼ不可能と言われる業界ですので、まぁ及第点なのかな…?
先日Xで、シーズン100型以上は作ってるとポストしたところ、「多いですね」との感想を頂いたのですが、俺らのゾーンではまぁ普通かな?その代わり、1着1着にそんなに時間を取ることは出来なくて、ほとんどの品番を絵型と大まかな仕様を企画会社に持って行って打ち合わせしながら進めていくという、いわゆるOEM生産をしています。
OEM生産はメリットデメリットもあり、メリットとしては企画経費があまりかからない、時間短縮になるという感じでしょうか。デメリットは…オリジナリティの強い商品には出来ないことはないですが、向かないところですかね。
これはブランドにもよるのですが、オリジナリティの強すぎる服はあまり売れないのです。なので売れない商品のために企画会社を使って仕事を行うのですが、ぶっちゃけ企画会社は売れる事を全体に仕事を受けるわけで、あまりにもオリジナリティが強く、売れにくい商品を受けてしまうと利益にならないならまだマシ、最悪赤字になってしまいますので、こちらとしては売れる商品を作らないといけない。
まぁ売りにくい商品は自社生産でもやりたくないのもあるのですが、自分たちが損して作る分には誰も文句は言わないので…
とは言え、没個性のオリジナリティのかけらもない商品もそれはそれでめちゃ売りにくいので(価格勝負になりがちですからね)ブランドらしさと売れるデザインの両立が大事というか。当たり前ですけど。
俺は自社生産とOEM生産の両方をやってきたので細かくいうともっといい部分、悪い部分があるのですが割愛しておきますが、少人数である程度の規模感のあるビジネスはOEMがやっは効率いいと思います。
あとファッションと言ってもビジネスだし、俺らがやってるのはBtoBなんで、消費者に満足してもらう前にお店に満足してもらわないといけない。お店の満足って何かというと、売れる商品をきちんと供給するという事です。いくらデザインが良くても継続して供給できないと頼りにされないのでビジネス的には良くないです。ないと困る存在にならなければこの業界(どの業界でもそうですけど)やっていけませんしね。
また様々なお店に卸してますので、多少お店によって好みも違いますし、顧客層も結構バラバラなのでデザイン数も多くなりがちです。(お店の人と話す機会は展示会の時くらいしかないですけど、だいたい40代から60代のお客様がよく買っていってるそう)
効率も良いとは言えないし、世の中に無いものを生み出すという感じでもない。その代わり何千何万着を売り、数億を売り上げるビジネスといった感じでしょうか。
まぁ全然華やかでもないし泥臭い。けどそれが自分達の生きる道と信じています。
なんかめちゃ前置きが長くなったけど、俺はその中であってもほんのちょっぴり刺激があって、かつ愛される商品を数型でもいいから作りたいっていつも思ってます。
要するに、オリジナリティのある売れ筋商品を作るという事が今年の抱負です。なんの面白みもありませんが!これまでも作ってきたつもりではあるんですが、これってすぐに答えは出ないんですよね…
服って企画して店頭に並ぶまで半年かかりますし、つまり消費者の人が買って本当に良かったって思うまでやはり最低半年〜1年かかるんです。
俺らはまだ立ち上げて1年経ってないわけで、確かにある程度の売上はありましたが、本当の結果はこれからなんだと思ってます。
今年は、去年頑張った分の本当の結果が出る時で、俺らのお洋服の何が良かったのかも客観的に感じれる年になるかと思います。
小心者なんでどんな結果になるかほんと恐ろしいけど、その結果に対しては真摯に向き合っていかないといかないなって思います。
あと、ジムに通ってダイエットすることかな?
それでは。
今年みたアニメの話
いつのまにか年末になってしまいました。
今年も色々なことがあったななんて思いながら、布団の上でゴロゴロしております。
私生活では転職したり、引っ越ししたりと一つの区切りの年だったかなと思いますが、こと仕事に関しても趣味のアニメ鑑賞に関しても、ひたすら毎年同じことを繰り返したなという一年でもありました。
そろそろ一念発起して新しいことを始めたいなどと思ってはいますが、思っているだけで人間そんなに簡単に変われるわけはなく、また一年が過ぎてしまうだろうなと予測したりしています。
服に関しては、なんか萎えた一年だった気がします。というのもお洋服の値段が高くなり過ぎて買えないというのを実感したと言いますか、前々から値上がり傾向ではあったものの、昨年まではまぁこんなもんかなと思ってはおりましたが、今年は特にブランド物など付加価値というよりネットに上げて優越感に浸る料金を上乗せされてるような…いわば優越税を課されてるような気もして、あーもういいや。適当でいいか。みたいな。
基本的に必要なものを必要なだけ買うといスタンスではあるのですが、それもどうでも良くなったというか…ただ、ここ一年で測ってはないのですがちょっと増量してしまったので体型だけは戻しておかないとという気持ちと、肌や髪の毛のメンテナンスはよりしっかりしなければ本当に地の底に落ちてしまうという焦燥感はありますので、来年はその辺キチンとした人間になろうと決意を新たにしております。
まぁ来年は年男ですので、その節目において年齢相応の恥ずかしくない生き方をしないといけないと気持ちを新たにしたってところでしょうか。
前置きはこの辺にして、今年みたアニメでよかったなと思ったら作品を10本ほど紹介していきます。特に考察的な感想はないです。ただ、好きか嫌いかだけ。
まずは一本目、
食わず嫌いだったんですよね。このアニメ。
グルメ系のアニメが苦手というか孤独のグルメ?ってのがネットミームとして画像がSNSなんかに流れてきますけど、あれが嫌いで俺にとってお昼ご飯とか栄養補給のそれ以外でもなんでもないと思ってるので、呑気に昼飯食ってないで仕事しろよって思ってしまうというか。
で、そういう系の話かと思ってたんですよ、当初は。けど全然違っててて、確かに料理の描写はあるんですが、その全てはネタと言いますか、人間どんな状況でもちゃんと栄養のあるものを食べないとダメだよという教訓はあるものの、どちらかというとダンジョンの謎を探る冒険物語でギャグ的なものもさっぱりしてて好みでした。久々にハマってしまいましてグッズも買いました。
二本目
ガールズバンドクライ
俺がアニメを見始めた頃にハマったアニメでけいおん!っていうガールズバンドアニメがあって、それから基本的にガールズバンドのアニメは見るようにしてるのですが、昨年はぼっちざろっくというか佳作があり、今年は本作が好みに合うバンドアニメだったなって思います。
まず、けいおん!やぼっちざろっくの時もそうだったのですがOPが好みだった。ガールズバンドの良い部分を煮詰めて作ったようなカレーにトンカツとウインナーとオムライスが乗ってて旗が立ってるような超カッコいいサウンドでOPみてすぐに、これは好みのアニメに間違いないと確信しましたね。
肝心のお話の方も安定して面白かったと思います。
以前この作品の感想を書いた時に「声優の素人感が気になった」と書きましたが、やっぱその前にぼっちざろっくを見た後で、やっぱプロの声優のセリフの空気感が秀逸でして、それと比べて勿体無いなとは感じたのですが、アニメではよくセリフパートと歌唱パートが違う人のことが多いので「お前歌わんのかーい!」となってた事を思い出し、そういう違和感を払拭したかったのかな?とも思い、これはこれでいいのかなと思い直しました。
3本目
響けユーフォニアム3期
いやマジでこれは好きだった。もう何度も何度も書いてますが、黒沢ともよの演技が好きなわけなんですよ。アニメは好きなものの声優さん自体にはあんまり興味がないのですが、宝石の国のフォスの声を聞いて、この人誰ー?って調べたのがきっかけでした。
フォスのだらしない感じと馬鹿なりになんとかしなきゃと決意し一生懸命頑張る姿をめちゃくちゃ上手く表現してて宝石の国の世界に引き込まれたというか。それから黒沢ともよの出るアニメはチェックするようになりました。
まぁユーフォの方が宝石の国よりも先に見てるんですけど、フォスの演技を見て改めてユーフォの黄前久美子の良さを感じるようになったというか。
しかしまぁ3期はいつもに増してギスギスが過ぎる話しで合わなかった人も多いのかもしれませんが、やっぱ最後の2話くらいで一気にその不穏さを解消していくわけで、見終わった後は終わってしまったという少しの寂しさと晴れやかな気持ちが合わさる…良い作品を見た時に感じられるそのような余韻に浸れたと思います。
昨今のアニメはギスギス展開は1話までと決められてるかのようにサッと回収してしまうのがセオリーだとは思いますが、ほぼ全編を通してギスギスを抱えたまま進んでいった本作は素晴らしい結末を迎える原作あってこそだなと思います。
4本目
小市民シリーズ
これは入れるか入れないかどうしようかなーと思ったのですが、OPが非常に好きだったので入れました。EVEいいよね。声が好き。
特に内容に関しては触れないでおきますが、 小佐内みたいな女性とはお付き合いしたくないですね。ほんとどうでもいいかもしれませんが、俺のこれまでの経験上、ああいう童顔のショートカットまたはボブカットな女性はだいたい性格がキツいというか当たりが強くて、人間見かけによらないものだなって思うことが多々あった人生でした(個人の感想です)
5本目
負けヒロインが多すぎる
負けヒロインというのは『 主人公と恋人関係になりそうだが(たいてい当人も主人公に恋心を抱いているが)結局は主人公との仲は進展せず、失恋・悲恋してしまうキャラクターを指す通俗的な呼び名』ということらしい。
日本の漫画、アニメ文化ってのはこのようなメタ的な属性要素が積み重なって新たな発想に至り様々なジャンルが展開されているわけで、本当に日本らしいアニメだったなと日本人の我ならが思うわけです。中身は正直言ってご都合主義的な話だったのですが、とにかくいみぎむる氏のキャラの魅力が全開でキメの顔が多数表現されており、いみぎむる氏の画集を見てるようなアニメでした。キャラクターの表情の描き方もくどさもなく、先ほどのガールズバンドクライもCGであってもアニメ的な表現を交えながらも感情、心情を表す日本アニメのテクニックは海外アニメとは違った方向で独自に進化していってるのだなって感じました。
6本目
真夜中ぱんチ
YouTuberを題材としたアニメが増えたのも近年の傾向かなって思った作品でした。
これもこれぞアニメOPといわせる曲調で電波ソングをマイルドに今風に落とし込んだような好みの曲でした。あとこの作品は、先ほど声優には興味がないと言いましたが、アフレコが魅力的なだったなと思います。特に今年も大活躍のファイルーズあい氏、羊宮妃那氏など個性的なキャラクターによく合ってて楽しく見れたかな。あとさ、個人的に AIやロボットや動物が人間のために一生懸命健気に頑張るキャラクターが好きで、それがたまたま今回は吸血鬼だったということなんですけど、まぁそういう理由もあり心に残るアニメだったなって思います。
7本目
何度も言ってるかもですが、根本的にはあまり好きな話ではなく結構惰性で見てるのですが、ここまで惰性でみるということは結構好きなんじゃないかと思い始めました。
流石に物語が長くなってストーリーに深みが増し、キャラクターもだいぶ覚えてきて世界観に没入できるようになったというか。
この手の異世界モノでは1番続きが気になるアニメです。
8本目
葬送のフリーレン
これは昨年からの続きなので厳密にいうと今年ではないかもしれませんが…まぁいいか。
ほんとこのアニメも日本的と言いますか、勇者や魔王ってドラクエでしょう?それがベースになっる先ほども言いましたがメタ的な発想からの展開ですよね?ダンジョン飯もウィザードリィがあってそこからの展開な訳でそのような文化がしっかり根付いてないと出来ない物語なんだろうなってよく思います。日本に生まれてよかったー
詳しい解説はできませんが、第二クール目は派手な魔法戦がカッコよかったなと。俺も魔法使いになりたいと思いました。杖とか欲しい。ストーリー、OP、ED、キャラクター、アフレコ、アニメーションなど全てにおいて好みの作品でした。
9本目
ルックバック
これはアニメ映画ですけど、アマプラでみました。原作は漫画で読んでて話は知っていたので映画館にまでは行かなかったのですが、アニメーションもアフレコも良いアニメだったと思います。
10本目
Xにもポストしたのですが、全く予備知識無く絵柄だけで判断してみたので、途中から「えーこんな話なん?思ってたんと違うー」と思ってみるのやめようかなって思ったのですが、結局最後まで見てしまった。恥ずかしながらこの作者の作品はひとつも読んだことがなかったのですが、おそらく狂気的な作風なんでしょうね。アニメ的な素朴なキャラに狂気を持たせる手法はよくありますし、話は全然違いますけど先ほど上げたリゼロも 大塚真一郎氏のロリキャラに残酷な事をさせるなど、確信的にその残酷性を強調される形が肌に合わない人もいるかなって思います。ただ、ギリ耐えれるくらいの匙加減でそこが絶妙と言えばそうだったんですが。あとアフレコのあのちゃんですが、アニメのキャラで聴くとちょうど良かった。テレビでみるとなんかわざとらしいなーと感じてしまうのですが、己の魂の練度の低さを痛感いたしました。映画と結末は違うそうですが、結末もすっきりした最後で好みでした。
ちゃんと数えてないですけど、多分途中でみるのやめたアニメも含めると年間80本は見てると思う。これはもう趣味と言ってもいいレベルだと思ってます。
がしかし、何度も見返したらセリフを覚えたり、グッズに課金したりはしてないので、大手を振って趣味ですとは言いにくい。まぁけど趣味って誰かとその熱量や知識や課金額を勝負するようなモノでもないですからね…自分が楽しいと思う範囲、無理なく続けられるってことが大事ですから(本当は履歴書に書けるような趣味が欲しいんだけど、なかなか…)
他にもなんか忘れてるような気もするのですが、忘れてるということはそこまで記憶に残ってないということで…また来年も様々な物語をお手軽に体験できるジャパンアニメに期待しております。
それでは良いお年を