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定番のススメ

ツイッター見てて、ユニクロとGU以外は定番品は要らない的なツイートを見た。

 

ツイッターっていうのは前後の流れがあってこれだけで何を言いたいのか決めつけるのは良くないが、俺は個人的にも定番品を大事だと思ってるし、どのような会社でもブランドでも必要だと思ってる。

 

おそらく、定番という名のベーシック商材のコスト交渉や、定番品の在庫管理方法を含めたやり方に「定番品」という免罪符で誤魔化すなということなんかな?とは思うけど。ぶっちゃけしょうもない話。

 

それはさておき、定番品と言っても世の中の定番品、例えばTシャツやパーカーやデニムである必要はない。

その会社、ブランドなりの定番品が大事だと思います。

 

というか定番品、さらにはそのブランドの顔と呼ばれる商品は長く続くブランドには必ずと言っていいほど存在し、逆に言えば定番品が存在しないブランドは続がないと言ってもいいと思います。

 

確かに強力なブランド力がない限り定番品のみのビジネスは難しさがある。

コンバース、リーバイス、セントジェームス、ジョンスメドレーなど世界的な知名度があったとしても、簡単な話ではないと思う。

 

それが飽きられれば終わりだ。でも、それって定番品に頼りきる、もしくは売れる定番品があれば大丈夫という慢心からくるもので、ちゃんと新しいものと続けていくものを分けて考えればいいだけの話のような(しがらみってものあると思うけど)

 

一般的に定番品はヒットしないと定番になりえない。

「定番品にします!」宣言で定番になるんだったら苦労はしない。まずは店頭に出して売れるかどうかが問題です。

 

そしてヒットした商品も2〜3年で終わるのか、もっと長く販売が見込めるのかの見極めは必要だと思います。

 

一概には言えないが、数年で終わるのはトレンドの中でもいち早く打ち出した商品や競合他社に勝った商品が多い。永続的に見込めるものは、独自に開発、デザインの完成度が高いもの。という感じか。

 

でもまぁ、数年で終わると思われる商品でも、拡張性が高くそれを売るための戦術が確立できれば、更なる発展が見込めるので簡単に諦めるわけにはいかんのだけども。

 

なんで俺が定番品にこだわるのかというと、単にブランドの顔となるヒット商品を作るのがめちゃくちゃ難しい事を知っているからです。

売れるデザインを作るのには実力もさることながら運も必要で、いくら良い商品を作っても売れなければダメな商品だと言わざるを得ない(ビジネス的にはね)

一生懸命作った多くの商品でも全く売れないもの、人気はあったが店頭で消化が悪いもの、コストが高すぎてビジネスにならなかったもの、様々な理由で継続が困難になるんです。

(まぁ、シーズン性が高く、少量売れればOKみたいな、いわゆる見せる商品というものもありはしますが)

なんとか生き残った我々にとっても、お客様にとっても愛される大事な商品を、もっと沢山のお客様にお買い上げ頂きたい。なんなら、買い替えてまた買って欲しい。そんな思いがあります。

 

だから、そんな優秀な商品をワンシーズンで終わらせるなんてありえない。次はどんな手で、どんな見せ方で華々しく活躍させてやるか、どう改良し付加価値を高めることが出来るか考えるのが人間の仕事ですから。

 

俺の担当ブランドの規模は小さいので、通常ならアパレルなら通常ロットかもですが、毎シーズン500枚以上、そのバリエーションで3型ほどやって1500枚ほど毎シーズン作ってる商品があり、もう8年くらい続けてます。

(枚数たったそれだけ?って言わないでね。そこそこ高いんだから)

 

通常、そのくらい長く売れれば競合他社に真似されるんですが、それがこの商品だけは真似されないんですよ(他のあんまり継続性が無い商品はよくコピーされてて、センスないなぁと思ったりしてます)

 

この商品は、工場に視察に行ったときにある編み機を見つけて「これでこの編み地作ったらどうなりますか?」って作ったのが始まりで、偶然見つけて作ったものです。

それをデザイナーが上手にデザインして作りました。

初めは良い商品ではありますが定番にしようとか思ってませんでしたが、1年、2年とやってるうちにどんどん受注が伸びて落ちなかったんですよね。

 

余談ですが俺の経験上、ヒット商品が売れるのは2年目が本番です。店頭で消化のいいヒット商品は2年目の方が余程のことがない限り売れます。そして3年目から徐々に落ちていくことが多いです。

 

でも、その商品は多少の浮き沈みはあっても売れ続けるんですよね。ほんと不思議。

 

マーケティングやらマーチャンダイジングやら色々言われますが、ウチみたいに小さい所は、そんなヒット商品達に助けられてるんです。

 

何年もやってると原料も上がりますので、コストも上がります。けど、素材は落とさずやってきましが、最近コスト増すぎて値上げしました。けど、値上げしても受注量は変わらなかったんですよね。それってやっぱり、競合が居ないしスタッフみんなが売れると信じれるからなんかなと思います。

 

その商品を毎シーズンちゃんと作り、営業にも販売店にも直営店にもその良さを伝えて、出来ることならブラッシュアップしながらもっと広めていきたいと思うんですよ。

 

ただ、初めの方に言ったみたいにどんな商品でも寿命があるし、鮮度が落ち沈むことはあると思います。やはり、俺もその商品に頼りきらないように、新しい商品を開発し、次に繋がる商品の種まきをせねばならんとは思います。

 

なんか、商品自慢みたいになっちゃった。

 

よく言われるんですよ。定番品は売れないとか、飽きられるとか。新しい商品が欲しいとか。

 

まぁわかる。新作も大事。けど数字を見れば何が貢献度が高いかわかる。客観的な判断はやっぱり必要なんですよ。

 

ほんとおこがましいが、もしブランド始める人がいてひとつアドバイスするなら、なんかひとつ他にない定番品を作るといいと思います。最初からではなく、一度店頭に出してその中から選んでも良いと思います。それがあることで継続して販売することのコツを掴み、シーズンの売上のベースが作れ、新作の打ち出しも強く打てます。

 

実際にはそんな簡単にはいかず、俺も毎回うんうん悩んでますし、運もあるので根気よく考えたらいいと思います。

 

それではまた😌