kaizeの部屋

ツイッターからはみ出た日記

価格の付け方の話

こんにちは。

盆休みも過ぎて、非常に憂鬱な気持ちで生きております。

 

なんか最近、ファッションに関しては書いても、アパレルのことを書いてなかったなと思って、久々にアパレルの話をしようかと。

 

なんでそう思ったのかっていうと、ツイッターで古着屋さんのツイートが流れてきまして、ちょっと興味深いなと思ったのです。

そのツイートがこちら。

 

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古着のことは全然わからないので、伏せ字されてる店も全く知らないのですが、つまりはそんなに価値がない古着を、あまり知識がない人達に「価値がありますよ!」といって売ってるお店に対してちょっと違うんじゃないか?と言ってるのだと思います。

 

これは、古着に限ったことでもないのではないかな?って思いました。

例えばラグジュアリーブランドだって、服そのものの価値と価格の関係じゃなくて、その服を所有するとこでの満足感や安心感、そしてその価格を出すに値する接客やサービスを含んで、非常に高い価格設定になってる訳ですしね。

 

原価厨ではないですが、服そのものの価値以上の価格設定がされているというのはよくある話…もちろん、商売的には「売れるんだからいいじゃない」ということなんでしょうけど。個人的にはアコギな商売はどこかで歪みが生じるもんだけどなぁなどと思ったりしました。

 

***

 

ちなみに一般的には服の価格設定の方法として、2つの方法があります。

ひとつは、積み上げ式。

これは加工賃、材料費、その他の経費を積み上げていき、最終の利益を載せて上代とする方法です。どちらかといえば、クオリティ重視の商品に用いられる方法で、デザイナーズや小ロット生産の服に用いられます。

 

次に、あらかじめ上代設定をする方式(正式な名称は知りません…)。

はじめに上代を設定して、その中で、加工賃、材料費、その他の経費を割り当てる方式です。

どちらかといえば、価格設定が低め、大きな企業やMDが細かくされているブランドに用いられます。

例えば「この商品は3.980円で売りたい」とする計画があって、「では生地はいくらまで」「加工賃は〇〇までだから、このディテールは省きましょうか」みたいな会話がなされます。遠足のおやつ的な?発想です。

 

当然ですが、どちらが良いというわけではなく、会社の方針や商売の業態でも異なり、またその方法をハイブリッドで行うのが一般的です。

例をあげると「この商品はこのシーズンを象徴するアイテムだからできるだけ妥協のない商品を作ろう」とする積み上げ式の商品がある一方、

「この商品は、3.980円で店頭に出せば、必ずたくさん売れるはずだから、〇〇円までに原価を抑えて作ってね」などと指令が下る商品もあり、それが混在した形での商品展開になるのが主流だと思います。(量販は徹底した上代設定管理がなされている印象です。数円差が出るだけで、大きな額の計算が狂いますしね…)

 

言うまでもなく、先にたくさん売れるという前提があるために、原料を安く調達できたり、加工賃も抑える事ができるために、上代を先に決める方法の商品は品質が悪いのか?ということもありません。

 

ちなみに、企業である以上予算に応じて使えるお金は決まっていて、生産原価の上限設定、リテールの場合は仕入れ原価の上限設定があり、〇〇円売り上げるために、〇〇円の原価(仕入れ)枠の中で商売をしますので、その大枠の予算に応じて商品ひとつひとつの原価や上代が設定されるのですが、まぁちょっと難しいので割愛します。

 

なんか、古着の話から脱線してますが、価格というのは色んな思惑で決定されており、なにが正しく、なにが間違ってるとは言いにくい部分があるんですね…

 

ただ、値付けは経営という格言がありまして、つまり、価格設定は経営判断として非常に重要なポイントというのはあると思います。

 

価格を安くすれば、客層が広がり創意工夫に磨きがかかり、低価格で良いものを作る意識が生まれるというメリットもあれば、価格を安くしすぎてブランドイメージを損ねたり、今の状況の様に、為替が変化したり、原材料が高騰すると利益を出せなったりもします。

 

価格を高く設定すれば、より良い加工や原料も使え、商品のクオリティも上がり、企業やブランドのイメージも良くなります。逆に高くしすぎれば、商売の裾野が狭くなり、ライバルに顧客を奪われる危険性もあります。

 

要はどちらもメリット、デメリットがあり、そのバランスの取り方が重要で、自社の顧客や実力、市場の変化を客観的に把握していないと誤った判断を下すことになりますので、価格設定は利益の根幹に関わる重要な経営判断といえると思います。

 

古着、ヴィンテージの話は価値がないものを価値があると言って売っているという話なので、意味合いは違うかもしれませんが、最終的には市場が判断するのだろうとしかいえないのかもな…って思いました。

 

それでは