kaizeの部屋

ツイッターからはみ出た日記

ロットだけじゃない話

今回も仕事の話。

先日、毎度のことですが、ツイッターでこんなツイートが流れてきました。

 

"アパレルの人は生地値1300円だけど1700円でTシャツほしいと言います。"

 

1300円の生地って結構高いですね。国産でもかなり高級な部類です。それを1700円で作れっていうのは生地代と縫製工賃を考えるとかなり無理があるかなと。

 

縫製工賃などの細かいことは言いませんが、多分ユニクロなどの量販店ではもっと安く売ってあるので、頑張れば作れるだろうという考えもあったかも知れないし、上司に無茶振りされて(いじめられて)工場にそのような依頼をしたのかもしれません。

 

こんな話があると、大量生産でロットが大きければ安く作れるんじゃないか?という話になりがちですが、実際はロットが大きければ安くなるという問題でもありません。

 

例えば、街の中華料理店で一人前600円のチャーハンがあったとして、それを100人前頼んだとしても少しはまけてくれるかもしれませんが、半額の300円にはなりません。

じゃあ、1000人前頼んだらどうか。多分断られます。キャパというものがありますから。

やはり、チャーハンを安く作るには、大量生産を前提として原料の米から大量に調達し、大きな設備で大量に1000人前作るしかありません。

服も同じで仕組みから考えないと難しいです。

 

俺はユニクロみたいに大量生産したことはないので確かなことは分かりませんが、低価格の服は先程のチャーハンと同じで基本的には始めに上代(店頭価格)が決まっており、それに基づいて素材の調達、工場の選定、生産ロット、生産時期、輸送方法などが決められます。それら全てがコストに影響し低価格での生産が可能になります。

 

つまり、ロットは価格を決めている要素の一つであってロットだけが大きければ安く生産できるというわけではないのですね。

 

話はちょっと違うのですが、小ロットだから値段が高いのは当たり前という方もいらっしゃいますが、それはそれでちょっと違うかなとも思います。

 

中華料理店で食べる600円のチャーハンと冷凍食品の300円のチャーハンの差は美味しさやサービスの差であって、たくさん作ってないから街の中華料理屋が高いのは仕方ないよねーとはなりません。

 

小ロットは小ロットなりの良さがないと、大量生産の商品と同じものを作っていても話にならないのですよね。

 

けども、何度もしつこいですが冷凍食品にない良さやサービスを求めるお客様はいらっしゃいますので、この方達に工夫を凝らした600円のチャーハンを売ればいいわけです。言うのは簡単なんですけどね。

 

服というのは身近にあるものですが、その中身は服で商売している人でさえその知識を網羅している人は少なく、20年ほどやってる俺もまだまだ知らないことだらけではありますので、無知を責めることはできません。

 

最近はインフルエンサーやユーチューバーなどアパレルに参入してくる方も多く、個人的には業界を盛り上げてくれる同志として拒む気持ちはありません。しかしながら、彼らも知らないことは多く、我々はそのような人たちに、「これだから素人は!」と言わずモノづくりの成り立ちをちゃんと伝えてあげないといけないと感じます。

 

それでは😌