先日、フリルやラッフルなどの甘いディテールをカッコよく引いてくれるパタンナーを好むデザイナーが多いという旨のポストをして、特に反響はなかったのですが、俺のTLではカッコいい服を望む女性は多いなっていつも思う。
甘いディテールは何か媚びてる感じがするからか、なんだか似合わないという気がするのか。まぁ単純に好みではないという事なんやろうけど。
先日、某百貨店でママさん向けと思われるブランドがポップアップショップを開いていた。
百貨店のポップアップといえば、昔は出店を前提としてのテスト販売とか、空いた場所を遊ばせておくことは出来ないから埋めるという位置付けだったと思うが、今はどうやら様相が違う。
もちろん、テスト販売や場所を埋めるというのはあるだろうが、百貨店の力だけでなくお客様を呼べるブランドに声をかけてる感じがします。いわゆるインフルエンサーブランドのポップアップが増えたのもそういうことかと。
当然、ブランドとしても百貨店の力を借りて更に知名度が上がる可能性はありますから悪い話ばかりではない(マージンとかの話は置いておいて)とは思うのですが、百貨店の求心力(お客様)が落ちた、もしくは本来百貨店に来ない人たちを呼びたいという時代の流れは感じます。
話が逸れましたが、そのポップアップしてるブランドはフリルやパールやパフ袖など、かなり甘めのディテールが満載のブランドでした。お値段は安くはなく高くもない中間価格。まぁ百貨店でポップアップするくらいだから安いブランドは基本やらないんでしょうけど。
ちなみに、百貨店の方達は「高くても良いものだったら売れます!」という圧が凄いですね。高すぎたら売れないという百貨店の人には会ったことありません。当然、自分たちのお客様の質に自信があるからでしょうが、値段は関係ない、良いものは売れるという信念が行き届いているのでしょう。まぁ、いいか。
この業界、一概には言えないのですが、ウィメンズファッションにおいて、甘い服は売れやすい傾向にあります。メンズライクよりも女性らしい服が売れるのは身をもって感じています。
今でこそメンズライクなカッコいい女性像に憧れる人達もかなり増えましたが、やはり甘い服の方が流れに乗りやすい傾向にあるかなと。
子供の参観日なんかに行くとよくわかります。ボウタイブラウス、リボンのついたバッグ、パフスリーブのトップス、ペプラムヘムのジャケット、パールのついたワンピースなど、非常に多いです。好きとか嫌いというより、その場に相応しいと感じてるのもあるかもしれませんが。
だから、その某百貨店のポップアップを見て「こんなお母さんめちゃくちゃおる!ママさん達向けのブランドやなー」って思ったわけです。
一方、デザイナーは全体の8割はカッコいい服が好きです(ど偏見)
「リボンもパールも付けたくない、ギャザーもラッフルも辛く仕上げて!曲線はできるだけ使いたくないけど、カッコいいだけじゃダメ、シアースカートで甘さをひとつまみよ!」
……普通かよ!って言いたくなりますが、だいたいこんな感じです。
俺からすると、辛さに振り切れないし甘さにも振り切れない、甘辛はもういいから…やるならもっと深い部分で考えて!と思うが、めちゃ難しいのはわかるから言えません。
甘いけどエッジが効いてる、甘くないけど女性らしい。出来そうで出来ないもんです。
だから、みんな唇を噛みながら必死にパールのついたブラウスを、ペプラムのダンボールニットを、どこかで見たような袖口がレースになってるワンピースをデザインしているんだなって…
けど俺は甘い服、好きよ。似合ってればいいというのもあるけど、やっぱシャープなメンズライクって着こなすの難しいし、間違えると地味になっちゃうもんね。
とそういうわけで、また。