kaizeの部屋

ツイッターからはみ出た日記

工場の話

ここにきて工場がパンクしてるという話を聞くことがある。俺が担当しているブランドのひとつは商社及び企画会社を使っていて工場の手配はアウトソーシングでいわゆるOEM生産なのだが、依頼している商品の納期が合わず、同じ素材で3マークほどの依頼を何社かの工場に分けて生産をするとの事だった。

 

本来なら同じ生地の商品は同じ工場で縫った方が効率がいいが、それほど現場が逼迫しとるということなんだろう。

 

俺の知る限り、カットソーの工場はまだなんとかなるが、布帛に関してはかなり混んでる様子。

 

主な理由は技能実習生が入ってこない事らしい。(ちなみに5年で帰ってしまいます)

 

メイドバイチャイニーズなどと揶揄される国内生産ではありますが、彼らの力がないとなかなか難しい現状ではある。

 

そんで、「いつも縫ってもらってる工場は空いてないんですか?」と聞いたら、「あそこはしっかりしてるから10月の時点で3月まで埋めてるし、割り増し工賃でも受けてもらえない」との事。急ぎの仕事などは入る余地は無いんだな。がっくり。

 

よく、工賃が安いなどのツイートをよく見る。非常に耳の痛い話で、俺も出来る事なら安く縫って貰いたい。利益というのもあるが、やはり市場価格よりも価格が高いと、よほど魅力的な商品で無いと数を出せない。

もっとウチでしか作れない商品を多く企画出来れば他社と競合せず高い上代も通るんだけど、ある程度の規模になってくるとそのような特別な商品だけ作ってるわけにもいかないという現実もある。

 

こちらも、生地の用尺、付属、原価率などを見直して出来るだけ競争力のある価格を目指そうとするが限界もある。やはり、ブランドならではの付加価値の高い企画はアパレルにとって必須事項だといえますね。

 

先程の工場の話に戻すと工場もまた然り、代えのきかない技術なり個性なりが無いと仕事も入ってこないし、アパレルに都合よく使われる立場になりがちです。アパレルの企画力と同じ事でしょう。

 

いつも縫って頂いてる工場は上手だし多少めんどくさい事もやってもらえる、多分他のアパレルも重宝してる工場だと思う。だから半年先まで仕事で埋まってるし、割増でも良いからと頼まれるんだなと。(それでも断られたんだが)

 

他にも強気だなーと思う工場とは何社か取引きしていて、コストも納期も絶対譲らないからやりにくいなと思う反面、特殊な技術を持ってるし仕事も対応も丁寧で、商品も割と高めの上代付けても売れていくから、それはそれで助かってる。(ほんと工場あってのアパレルです🙏)

 

そんなことを言うと身も蓋もないが、アパレルは企画力と販路(販売力)、工場は技術と丁寧な仕事で信頼と利益を得るんだなと思いました。

(それでも潤沢に儲かってるかというとそうでもないかもしれんけど)