アパレル業界は遅れているとかよく言われます。
例に漏れずウチも電話はもちろんファクス使うし、仕様書も紙で保管することがほとんど。
俺も典型的なアナログ人間ではありますので、その状況に特に不満もなく仕事をしているのであります。
今日、60代のOEMのおじさん社長が新年の挨拶に来た。
「最近どうです?やっぱり、ネット販売やらないとですかねーガハハ」みたいなお約束のよくある話をしてたんだが、
「そういえばこの間、新規のアパレルがサンプル作って欲しいって電話があったんだよ。どこかでウチのこと聞いたのかな?」と。
俺は知っている。このおじさん社長の会社、実はホームページがあることを。何年も更新してないが。数年前、俺は新規先探さないとと思い、近くのOEMをインターネットで探してたら偶然見つけて電話してこのおじさんの会社と取引が始まったからな。けど、この社長そのことを多分忘れてる。
俺はこのブランドを担当した当初、どんな工場があるのか、どんな生地屋があるのか全然知らなかった。左遷、もとい。遠いところから転勤してきたから。
俺の経験上、昔ながらのアパレルは新たな工場や生地屋を探すときに紹介されて取引が始まる場合が多い。
紹介された場合、ある程度その会社に合うクオリティの仕事が出来るとか、取引条件が合うとか事前にわかっているため話が早い場合は多い。この業界、知り合いの知り合いはみんな知り合いみたいな感じはする。
ベテランのアパレルマンの話はだいたい「〇〇ちゃん?昔一緒に色々作ったなー」とか「〇〇社長は俺の先輩でよく知ってるんよ」とか「〇〇さん、知ってるよー担当してたし。昔は美人だったよねー」とか。
人脈自慢というか、いかに自分が顔が広いのかマウントを取ってくる。まぁ、ベテランはその人脈で仕事が成り立っている。(本当に知り合いかは知らんけど)
話は逸れたが、俺はそんな人脈とか無かったし、むしろそういうしがらみが嫌だったから、取引先は自分でネットで調べて電話して今の生産背景を作っていった。(というか、紹介されるところって紹介した人の仕事までついてくるから、なんかやりにくいのよね、仕事の繋がりなんてそんなもんなんだろうけど)
ということで、きっとその新規アパレルはその社長の会社のホームページを見て連絡してきたんじゃないかと思った。言わなかったけど。
で、その新規先は電話の途中で「zoomに切り替えていいですか?」と言ってきたらしい。
「zoomとか言われて、慌てちゃって。けどなんとか繋げて、画面でどんな商品作れるか伝えて、サンプル作ってくれって言われたんだよね。やっぱり映像見せられるから便利ですよ」と。
この業界、特に昔ながらのアパレルはよく言う。「ウチの取引先はインターネットに弱いし、メール見てないし、インスタやってないし、そんなんで情報公開しても効果ないよ、アポ無しで突撃が一番早い」って。
けど、これって自分達が出来ないから、得意先や取引先が出来ないと思い込んでるだけで、自分達がやり始めれば向こうもやり始めるんだよなと思った。
そもそも、メールすら見ないところは多分先がないので、商売はやめた方がいいとは思うが。
ファクスだったのがメールになった時もメールからLINEになった時も、まあ便利になったわけです。自分から始めると便利になるスピードはもっと早かったはずなんですよね。
まぁ、別に俺も機械に弱いし啓蒙する気とか全くないんだけども、ホームページあってよかったねとは思いました。
それでは😌