ツイッター界隈でよく話題に上がるネタの一つにマルジェラの四つ糸がある。
つまり、マルジェラのアイコンでもある四つ糸はただの飾りかブランドアイコンかという話なのだろう。
あれは取るべきだという人、マルジェラ本人の意思を尊重したい人、どうでも良いと思ってる人、様々ではある。
個人的にはアレはブランドロゴみたいなもんで、これはマルジェラの商品ですよとかなり強烈に主張していると思っているので意地になって取らなくてもいいかなとは思ってる。
今でこそマルジェラは有名になったが、以前は知る人ぞ知る知るカルトな人気のブランドだったと思う。
以前は玄人好みのデザインだと俺は思います。けど、ここ最近になってタビブーツの派生商品のバリエーションが広がり、誰にでもわかりやすい服がたくさん作られるようになったと思う。
余談ですが、ジョンガリアーノというデザイナーが創業者のマルタンマルジェラから引き継いでデザインを担当しているのだが、売上は好調とのこと。彼の功績ということもあるだろうが、間違いなくMD戦略が功を奏していると考えた方が自然だと思います。
売上を拡大し、カルトなブランドから世界的なブランドへ成長させる。OTB(マルジェラを所有しているdieselで有名な会社)にとっては当然のことで、ここ最近のマルジェラのマス向けのベタな商品群も致し方ないことだろうとは思う。
当然ながら、マルジェラの四つ糸はブランディングとしては武器になる。そこを見逃すということはあり得ない。意図的に戦略的に使われているのは事実でしょう。
ブランドの歴史から言うと、ロゴやアイコンというのはブランドを成長させるには不可欠な要素と言える。
例えばNIKEのスウッシュadidasのスリーストライプスなど一目でわかるわかりやすさからブランド力は確固たるものになったと思う。
あのアイコンがなかったらどうだっただろうか。ここまで成長したかどうかは謎。
アパレルでいうとCHANELのココマークやヴィヴィアンウエストウッドのオーブ、リーバイスのアーキュエイト、ラコステのワニ、ラルフローレンのポロプレイヤー、プレイコムデギャルソンのハートなどなど…挙げるとキリがない。ブランドを成長させるには、わかりやすさ、視認性の高さというのは必要不可欠なんですね。
俺からするとマルジェラのそれも同じ効果を発揮していると思う。
ロゴというのはファッションのデザインとはかけ離れているロゴでのビジネスはファッション好きには嫌われる傾向にあるものの、事実としてロゴがあれば売れるというのはアパレルでは常識的な話でもある。
もちろんデザイナーの中には、ロゴでのビジネスを嫌う人も多く、ロゴではなくデザインでブランドを表現したいと思っているものの、現実はそう簡単でもないんすよね…
もちろん、ロゴだけ目立っても中身がスカスカだとイメージも良くないので、気の利いたデザインや品質あっての話だとは思います。
マルジェラだって知る人ぞ知る知るカルト的な土台の上に四つ糸があって成り立つわけで、最近だとロエベなんかも、革新的なレザーグッズやアパレルのデザインがあるからアナグラムのトレーナーが売れるわけですよ。
数年前、ロゴドンと呼ばれる、でかいロゴが入っただけの商品がダサいとか言われてましたけど、基本的には見せ方、やり方次第ということでしょうか。
しつこく書きますけど、ロゴやアイコンを用いたブランディングはとても重要なんすよ。だからやっぱり、ブランドを成功させるにはそのアイコンを作るのに非常に労力とセンスを要するし、そこを蔑ろにして、デザインだけで勝負だ!というブランドは(心意気は素晴らしいが)少し頭を柔らかくした方がいいのではないかな?と思ったり。まぁ一つの選択肢として頭の片隅にでも置いておくといいのかもしれません。
ということでまた。