kaizeの部屋

ツイッターからはみ出た日記

人材育成の話

仕事の話なんですが、俺はアパレルの企画の仕事をしていて、昔はデザインをやってたんですね。新卒でデザイナーとして仕事してました。

 

俺が入社した時はチーフデザイナーがいて、企画課長がいて、先輩デザイナーがいて、同期のデザイナーもいました。

 

ほんと色々教えてもらいました。チーフデザイナーからは心構えから、「これは良い」「これはダメ」みたいに何がダメなのかわからんけど、なんかこれはウチの会社じゃ無いんだろうみたいに思ってて、企画課長からはなんでダメなのかちょくちょくヒントを貰って、なんとかやれてたと思います。

 

まぁ、それでも若いもんで「なんでこれがダメなん?」みたいな感じでめちゃ歯向かってたのでほんと面倒くさい新人だったと思います。

 

それでもちゃんとモノづくりをする会社だったので今の仕事に生きてると思うし、現在はディレクションとMDが合わさったような仕事なんですが、その当時のチーフや課長みたいな仕事が出来てるかな?なんて思いながらやってます。(多分全然ダメダメでチーフや課長が見てたら「カイゼ君、そんなんじゃダメだよ。成長して無いね」って言われるんじゃ無いかと思い出しては気を引き締める毎日です)

 

で、時は過ぎて当時のメンバーはみんな居なくなり、ふと思うのですが、育ててもらう側から育てる側になってしまったにも関わらず、その教育のシステムが無くなってしまっているなと。

 

なんというか、個々の経験も技術はあってもウチはこうなんですとか、ウチが目指すものはこうなんですという指針の元に仕事をすることが行き渡ってない感じです。

 

即戦力の採用も多いのですが、それはそれで会社として、ブランドとして仕事をするというより自分のこれまでやってきたそれぞれの技術を使って仕事をするのでブランドとして芯が曖昧になりすぎる場合もあり、気がつけば個人商店の集まりみたいになってしまいます。(即戦力の採用なので利益を出す為に入社してるのでそうなるのは仕方のないことかも知れませんが)

 

まぁ、即戦力の中途採用が多くなると、会社やブランドのために新人を育てようという気概はないですからね。結果を出さないといけない自分のことで精一杯です。

 

ウチもそうだし多くの小規模アパレルはなかなか新卒を入れる余裕はなく、それではいけないと入れたとしてもすぐに辞めていくことが多くなりました。

(俺の名誉のために一応言っておきますが、担当ブランドでは辞めた人いないけど)

 

少し話は変わりますが、デザインやったことない人は、デザイン学校卒業したらデザインができると思ってるところはあります。「若い子にどんどんやらせろ」ってな感じで。若い子の感性を無条件に信じてるんです。けど、自分を振り返ってみると、新人の頃はびっくりするくらいデザインを理解してなかったし、ビジネスとアイデアのバランスもよく分かってなかった。

 

調理師専門学校出たばかりの人に「明日から店のメインディッシュ作って」とか言うようなもんです。出来ないんですよ。マジで。まぁ、例え話ですが。

 

それとデザインを理解してない人は、売れることやビジネスのことばかり考えてると、素晴らしいデザインは出来ないとかいう人いますが、これは間違いで、売れることを考え抜いて喜んでいただけるデザインにベストを尽くしてこそ人の心を動かすデザインが出来るんだと思います。(安易に売れ筋をコピーするのは意外と売れないので)

 

つまり、デザインやデザイナーに対する理解が無い(よくわかってない)場合は育成ということをおざなりにしがちだし、そういう会社は「新人にデザインさせたけどダメだったな」みたいに言うわけです。それじゃすぐ辞めますよ。

 

今流行りの、インフルエンサーブランドなんかも、経験のあるデザイナーが支えてるから成り立つ部分はあると思います。会社はちゃんと発想を形に出来るしっかりとした技術のあるデザイナーを育てないとそういうブランドを縁の下で支える人が居なくなっちゃうかもななんて思います。

 

また次回👋